蒸発式凝縮器(エバコン)の運転原理

凝縮コイル内に冷媒等の各種プロセスガスを循環させることにより、凝縮コイル管壁を通して管外の散布水に冷媒等の各種プロセスガスの熱を伝えます。さらに、遠心ファンにより空気を上方向へ送り、凝縮コイルの間隙を通過させることにより、一部の散布水が蒸発します。この蒸発する際の蒸発潜熱を利用し、冷媒等の各種プロセスガスより散布水へ伝えられた熱を大気中へ放出させます。凝縮コイルの間隙を通過した空気に含まれる水滴は、エバコン本体の上部にあるエリミネータにて空気より分離されるため、冷却塔外に飛散する水を最小限に抑えています。さらに、散布水は、下部の水槽に集められ散水ポンプにて再循環されます。

蒸発式凝縮器(エバコン)の特徴

蒸発式凝縮器(エバコン)は、遠心ファンによる押込通風方式であり、遠心ファン、ファンモータ等の可動部品は低温乾燥の吸込空気側に配置されています。このため、これら可動部品に湿気が結露したり、寒冷地における湿気の氷結の心配がありません。蒸発式凝縮器(エバコン)は、主に産業用・商業用冷凍設備、各種プロセスガスの凝縮などに使用されています。また、蒸発潜熱を利用しているため、空冷式・水冷式コンデンサよりも設置スペースやシステムエネルギの削減が可能となります。

VXC型蒸発式凝縮器(エバコン)の構造

1. ①散水装置
2. ②凝縮コイル
3. ③外板
4. ④エリミネータ
5. ⑤丸型点検口
6. ⑥ストレーナ
7. ⑦ファンモータ
8. ⑧Vベルト式駆動装置
9. ⑨ファンシャフト
10. ⑩ファン軸受
11. ⑪遠心ファン
12. ⑫ファンガード
13. ⑬補給水ボールタップ
14. ⑭散水ポンプ